インプラント治療とは
インプラントとは
もともと「インプラント」とは「埋める」ことを意味する言葉で、歯科医院以外でも、人工関節の手術などに用いられてきました。
歯の治療における「インプラント」には、すでに50年ほどの歴史があります。
具体的には、顎の骨に埋め込む「フィクスチャー」、そこに差し込む土台アバットメント」、そして表面を覆う「人工歯」の3つのパーツに分かれます。
インプラント治療について
「フィクスチャー」は、骨と結合する特性のあるチタン製のものを使用しています。
また、「HAコーティング」という特殊加工をすることにより、より強固な結合を可能としています。また、チタンには比較的アレルギーを起こしにくいという特性があり、金属アレルギーの方でも安心してご利用いただける場合があります。
インプラントは顎の骨にしっかりと固定されるので、本来の歯と変わらない感覚で食事を楽しむことが可能です。
お手入れは、入れ歯のように取り外して洗う必要はなく、いつものようにブラッシングしていただくだけで済みます。
インプラントのメリット、デメリット
インプラントのメリット
- 対向した歯を損なうことなく、理想的なかみ合わせが可能
- 失った歯の数に関係なく、本来のかむ力を回復
- 自分の歯のように見た目がきれい
- 適切なケアを心がければ、数十年間保つことも可能
インプラントのデメリット
- 治療期間にある程度の時間が必要
- 自由診療なので、比較的費用が高額
- 顎の骨の状態によっては、手術が適さないケースがある
- 来院した上での定期なメインテナンスが必要
どのような方にインプラントが必要か
1本の歯を失った場合
一般的なインプラントの治療方法です。ブリッジのように両サイドの歯を削らないので、健康な歯を傷つけずに済みます。
また、対向する歯の成長を止める効果もあるので、かみ合わせを正しく保つことができます。
奥歯を含めて複数の歯を失った場合
部分入れ歯は、残っている歯や歯ぐきで支えなければならず、その部分へ負担がかかります。
インプラントであれば、それぞれの歯が自立していますので、健康な歯への二次被害を防ぐことができます。
全ての歯を失った場合
総入れ歯は、顎の状態を型取り、その形状に合わせて製作します。顎の状態が年齢と共に変わったり総入れ歯自体が変形したりすると隙間が生じ、不具合や痛さを感じることがあります。
衛生的にも好ましくありませんので、インプラントがお勧めです。
どのような医院を選べばいいのか
インプラントの安全性は、ひとえに診断の正しさにかかっていると思います。神経や骨、血管などの位置を正確に把握してこそ、事故のない治療が行えるのです。
そうした意味で、CT画像を利用した立体的な事前診断が行える医院を選ぶようにしましょう。
また、外科手術を伴いますので、歯のみならず全身管理が行えるかどうかも、重要なポイントになってきます。
患者様には把握しづらい部分もあると思いますが、滅菌器具の状態や手術室の様子などを通じて、「信頼できそうな環境を整えているか」というチェックをしてみてください。
コミュニケーションに積極的で、説明責任をきちんと果たしてくれることも、大きな安心材料になります。
特に歯は、食事というプライベートな部分と深い関係があるので、食生活といった個人の好き嫌いでも気軽に話せそうな医師が理想的です。
入れ歯、ブリッジとの比較
治療法 | インプラント | 入れ歯 | ブリッジ |
---|---|---|---|
審美性 | ◎ | △ | ○ |
噛む力 | ◎ | △ | ○ |
口内衛生 | 優れる(手入れが必要) | 不衛生になりやすい | 不衛生になりやすい |
耐久性 | 優れる(手入れが必要) | 合わなくなることが多い | 両隣の歯に負担 |
健康な歯を削る | × | × | ○ |
違和感 | なし | あり | 少ない |
顎骨がやせる | なし | やせる | やせる事がある |
手術 | あり | なし | なし |
診療形態 | 自由診療 | 保険診療(一部自由診療) | 保険診療(一部自由診療) |
治療期間 | 通常6から24週間程度 | 2週間から2ヵ月 | 2から3週間 |